扶養義務等に係る債権により債権差押命令

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       差押禁止債権の範囲の特例
       養育費その他の扶養義務に係る債権とは・・
       養育費の履行確保のための強制執行の特例
扶養義務等に係る債権の履行確保の為、民事執行法が改正され平成16年4月1日に施行されました。これに伴い、改正前の民事執行法では、扶養義務等に係る債権が家事調停、審判、公正証書等で決められ、毎月支払われることになっている場合は、その支払期日が到来した分でしか強制執行の申し立てが出来ませんでしたが、改正により、給料その他継続的給付(家賃収入など)に係る債権に対する強制執行を申し立てる場合は、扶養義務に係る債権に一部に未払いがあれば、まだ期限が到来していない(将来分)定期金債権も一括して強制執行を開始することができるようになりました。

例えば離婚する際に、養育費の期限を「息子が20歳になるまで」と取り決めている場合は、夫の勤務先の会社は給料から養育費分を差し引いて、妻側の銀行口座に息子が20歳になるまで振り込むようにすることが可能になります。

近年でも養育費の支払いが滞っていて、経済的に大変お困りの母子家庭も沢山おります。扶養義務者の養育費の支払いは法で定めた当然の義務であり、その債権者(母親など)は養育費を貰う権利があります。未払いが生じた場合は直ちに「扶養義務等に係る債権により差し押さえ命令」の申し立てを行うことをお勧めします。

 扶養義務等に係る債権とは民事執行法151条の2第1項各号に上げる下記のものをいう。

  
夫婦間の扶養義務(民法752条)

  
婚姻費分担義務  (民法760条)

  
子の監護費用分担義務(民法766条)

  
扶養義務(民法877条~880条)
 (ご注意
 
この特例において請求債権とすることができるのは、①~④に揚げられている扶養義務等に係る債権で、
 確定期限の定めのあるもの(定期債権)に限られます。従って、慰謝料、財産分与などに基づく債権(一般
 債権又は扶養義務に係る債権以外の債権)ではこの特例を利用することは出来ません。また、解決金、
 和解金といった債権についても、その性質が明らかでないため、この特例を利用することができませんので
 ご注意下さい。
一般債権による強制執行の場合で給料債権を差し押さえる場合は、税金等控除後の給料額の4分の3の部分が差押禁止となりますが、民事執行法の改正により、「扶養義務等に係る債権」とする差し押さえの場合は税金控除後の2分1の部分が差し押さえ禁止となりました。簡単に言えば、2分の1の給料は差押が可能だという
ことです。

   一般債権(慰謝料・財産分与など)の禁止債権の範囲
   
給料などの支給額から法定控除額を控除した残額の4分の3に相当する部分。但し、残額
    が月額44万円を越えるときは一律33万円


   
養育費その他の扶養義務に係る債権の禁止債権の範囲
   
給料などの支給額から法定控除額を控除した残額の2分の1に相当する部分。但し、残額
    が月額66万円を越えるときは一律33万円
強制執行に係る請求債権は,その弁済期が到来しなければ強制執行を開始することができないのが原則です。しかし,一定の要件の下,まだ期限が到来していない定期金債権についても一括して「給料その他継続
的給付に係る債権」に対する強制執行を開始することができます。


  ①請求債権が民法151条の2①~④に定める「扶養義務に係る債権」であること。

  ②「扶養義務に係る債権」が確定期限の定めのある定期金債権であること。
    (調停条項に「毎月末日限り金5万円ずつを支払う」などと定められているもの)

  ③上記②の定期金債権の一部に不履行(支払が滞っていること)があること。

  ④差押えの対象となる財産は、請求債権である各定期金債権について、その確定期限の到来する
   「給料その他継続的給付に係る債権」に限られる。「給料その他継続的給付に係る債権」とは民事
   執行法151条におけるそれと同義であり、給料債権の他、役員報酬債権、賃料債権等が該当します。
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